私たちの研究グループでは、『光が関わる優れた生体機能』に学ぶ『光機能分子工学』の開拓を目指しています。「生物発光」が生命活動を可視化するバイオイメージング技術の光化学基盤を提供する点に着目し、生物発光の反応メカニズムの解明と生物発光関連分子に基づいた機能性発光物質の開発を進めています。さらに反応機構研究の基盤を活かし、新たなソフトクリスタル発光材料の開発にも挑戦しています。また、光化学の基盤となる植物の光合成に学ぶことによるグリーン光化学反応の開拓も視野に入れています。
具体的に、ウミホタル・オワンクラゲ・ホタルを中心に、生物発光の高効率性、発光色制御、反応制御、超分子構築の特徴について、仕組みを分子レベルで解明し、この知見を光機能材料(化学発光物質、蛍光色素など)開発やクリスタル発光材料の学理探求に活かす研究プロジェクトを推進しています。優れた生体機能に対して、有機化学、光化学、物理有機化学、超分子化学、光生物化学を含む学際的視点から、「きれいに良く光る分子」、「発光を操ることのできる結晶」などの開発を進め、機能開拓を行い、最先端の生命科学や材料科学の物質的基盤を支える技術開発に貢献したいと考えています
当研究室では、有機合成の立場からホタルなどの発光生物の天然化合物を基に『光イメージング材料』を合成しています。特に赤色発光する材料『AkaLumine』と『TokeOni』は企業との共同研究により、すでに実用化販売しています。これらの材料を用いて、他大の研究室や企業との共同研究で『光イメージング技術』を開発しています。光イメージング技術はライフサイエンス分野の研究に必要不可欠な研究ツールであり、このような基盤技術の発展がライフサイエンス研究の発展に貢献しています。
さらに、最近では希少疾病の医薬品合成はじめました。 今後もライフサイエンス分野の発展を目指し、研究に邁進していきます。